もし、色覚異常者が、現代社会から無くなる事が有るとするなら、今起きている、交通事故は、明らかに減ると私は考えています。
瞬間的な色(信号機の
●黄●赤の区別)に対する判断は明らかに正常者より遅くなる事(信号の見誤りなど)。正常者より遠くからは明らかに見えてない
●赤信号
(注3)。
「歩行者で信号を見誤る事以上に、ドライバーとして色の見誤りによるトラブルが、かなりの割合であるのではないか?想像すると非常に恐ろしい現実が野放しのままになっている」そう思えてならない。
(私の知り合いには、その事を懸念して、運転免許証をもっていらっしゃらない方もいました。また、赤緑異常者は
青信号の色を
●青緑(シアン)ではなく、殆ど
●青(むしろ白に近い青
●水色?)にしか見えてない人がかなりいると思えます。)
「カラーバリアフリー」、「色覚差別撤回」、聞こえはいいけれど、今迄、どれだけ現実的な成果が有ったのだろうか?(決して無意味と言っている訳ではありません。)信号の色は万国共通なのに、色覚異常者の為に特別な配慮をした信号機とは、どういう物となるのだろうか?健常者にとっては、
●青(シアン) ●黄 ●赤は特別に目立つ色なのに、その色の区別がはっきりしない色覚異常者は、現代の交通事情の上で考えると、「全く支障がないとは決して言い切れない」そう思えてならない。(信号機の色を色覚異常者に最も分かりやすい色に変えることができたとしても、逆にそれは正常者には分かりづらい色になる、との研究もある。)
「それは色の見え方の個性」等と無責任な事を言う専門家方々。過去には色覚治療を本職と考えてられた医師もおられたのに…。交通事故と色覚異常の因果関係がもし数字として示される事が有ったとするなら、どの様な言い訳?があるのだろうか。私の頭では「色覚治療が最もこの問題を万人が納得できる形で収拾出来る事」と思えます。立場上のプライドも有るとは思いますが、眼科が専門の医療団体ではない、ある医療団体が「色覚異常を治す」と言えば「色覚治療は医学的に不可能、不向き」等と言い切るだけで、(それは「
石原説」ではなく「
三原色説?」を元にした旧来からの医学理論を根拠とした発言?)何の検証もすること無く、ひたすらネガティブなマスコミを利用してまで、つぶそうとした行為は組織的な権力による○○の様にさえ思える。
「
交通(死亡)事故を確実に減らす方法の一つに色覚治療は必要不可欠な事。」と、あえてここで言わせていただきたいと思います。
更に、学校での色覚検査の事実上の廃止。数年後には、自分が色覚異常であることすら知らない運転者が路上を走る日が目の前に来ている。(平成14年の学校保健法改正によって検査の施行義務が無くなっているので、既に来ている? )色覚検査表の序文にも書いてあるように、検査を受けてない色覚異常者は、自分が異常をもっていることすら気がつかない場合が多い。現代の交通事情の上で考えても、「見え方の個性」と言い切ることは本当に妥当な判断なのだろううか?
色覚検査をすることが「
差別の助長につながる(人権問題)」というだけでは済まされない「
命の問題(事故に対するリスクの問題)」として考えた時、本当は一番責任を感ずる立場であるはずの専門家方々の発言には疑問を感じないわけにはいかない。もし、それによって事故を起こした当人が、その現実を知った時、どのような対応がされるのだろう?もう一度「色覚検査をする事の意義から考え直していただきたい」と、更に一言、言わせて頂きます。
(注3)他の例として、家電製品によくついている、
●赤色発光ダイオード、色覚健常者には、たとえ光源が小さくても極めて目立つ色なのでほとんど見落とすことが無いけれど、色覚異常者の場合は、近くに行かないと分からない事が多い。
交通事故と色覚異常の因果関係を調査した(統計的)資料。有りそうですが、公の団体から出されたものは多分無いのではないでしょうか?
唯一、東京目白にあったクリニックが作ったパンフレットの中に、アンケート結果から統計的に出された数字が有りましたので以下、その資料を載せたいと思います。
色覚異常は母親の父(子供にとっては母方の祖父)から母親を保因者として孫に現れてくるケースが大半を占めます。家族関係について質問していくと「父はわたしの小さい頃に(戦争または交通事故で)亡くなりましたので色覚異常であったかどうか知りません」と言う答えが多いことに疑問を持ったそうです。
交通事故の被害者に色覚異常の人が多いのではないかと推測し、祖父が亡くなられている家族の場合、一時期(1980年度)、死因まで聞き取り調査をした結果・・・
・患者さん(色覚異常の方)の祖父が既に亡くなっている(調査数4500例中) | 2237例 |
・うち死因が交通事故によるもの | 152例 |
※色覚異常であったと思われる人の交通事故による死亡率 | 6.8% |
・全男性死亡者中の交通事故による死亡率(1980年度調査結果) | 2.3% |
(※「就職と進学へのアドバイス」 発行 目白メディカルクリニック より転載)
色覚異常であったと思われる人の交通事故による死亡率が、全男性死亡者中の交通事故による死亡率の約3倍になっている事にちょっと驚きます。
これだけのサンプルを持って結論づけるのは、早計とも思われますが、その他に資料自体が無い訳ですので仕方のない事です。色覚異常者を今のまま治療することなく放置する事が正当化されるのなら、このような統計結果を出すこと自体、問題なのだと思いますが…?
(だから、公的な統計データが無いのでしょうか?医師や専門家方々が「治療不可」あるいは「見え方の個性に過ぎない」としている以上、公の立場でこのような統計結果を出すことはきっと難しい事なのでしょう?)
更に、運転免許証をもっておられる、色覚異常の方と正常な色覚の方に、「信号の並びを左から言ってみてください。」と質問すると、色覚異常の方はスラスラと答えるそうです。しかし、正常な色覚の方は、一瞬考えてから答えをされ、しかも正確に言えない人が殆どだそうです。
考えられることは、「色覚正常者は、
● ● ● 青(シアン)黄 赤 という色は極めて目立つ色なので、あえて位置を覚えておく必要を感じてないのに、色覚異常のドライバーは、信号の色での判断だけでは不安があるから位置をもって信号の指示を確認している。」と言えるのではないかと思います。
大変怖い話ですが、どうやら、それが現実のようです。
色覚障害者用の信号機が開発され、東京都内に試験設置されているそうです。赤緑色覚異常者にも見やすい
■紫(
■赤と
■青の混色)にて、
●赤色信号機に
×印を入れた物のようです。
「
石原説」からも、納得できる考え方ではないでしょうか?(
石原表による分類へリンク)
開発されたのは、九州産業大(福岡市東区)の落合太郎教授(環境デザイン)と言う方です。
関連リンク
落合太郎 研究室 グッドデザイン賞 2011 Openブログ
個人的な印象ですが、「かなりの効果が期待できる」と思えます。 落合教授の見識、アイディア、そして御努力に感服です。 今後の展開に期待!